韓国
経済
概況
90年代前半までの韓国経済の驚異的な成長の原動力は、政府主導による低賃金を武器にした 計画的な財閥の輸出戦略を基にした生産の発展による。 この戦略により、実質GDPは、1986年から1991年の間に、年10%以上も増加した。
この成長は結果的に、逼迫した労働不足、強いインフレ圧力、急速に増える当座勘定不足などのオーバーヒートを起こした。
結果的に、1992年には経済政策はインフレの増加を押さえ、赤字を減らす事に集中した。 年間成長は5%に落ちた。それでも、世界の他の大部分の国の成長率を上回っていた。
1993年の金泳三政権の登場により、政府と財閥による二人三脚の輸出戦略は終わった。
それでも、円高を追い風にし、日本製品の市場を奪う形で、自動車、半導体、家電などを中心に輸出を拡大し、1993年には6.3%に回復した。1994年には、輸出に拍車がかかり、GDP実質成長率は8.3%にまで上がり、 1995年には、国内総生産実質成長率は9%、輸出は前年比30.3%の伸びを記録した。
しかし、1996年には、円安で日本製品が競争力を回復し、輸出の主力商品の一つ半導体の国際価格が下落した. 労働生産性を上回る大幅な賃金上昇により国際競争力は弱まった。また財閥の過剰な設備拡張も一因により供給過剰となった。 輸出伸び率は、昨年比は約4%に減速した。
ウォン相場は、1996年初頭1ドル=700ウォン台後半だったが、経済成長の鈍化などを背景に下落基調に入った。
1997〜98年のアジア通貨危機は、韓国経済の長年にわたるウイークポイントをあらわにした。多額の外国債務、銀行の 1997年夏には1ドル=900ウォン台まで下落した。 その後、30大財閥のうち、韓宝、起亜、三美、真露など7財閥や企業の経営破綻、香港ドルの混乱などが加わり、11月中旬、1ドル=1,000ウォンの大台を割った。
企業の相次ぐ破綻によって、融資していた金融機関が巨額の不良債権を持つに到った。 韓国政府によると金融機関の不良債権は約32兆ウォンであり、これは98年度予算の約45%に上る。さらに対外債務は約1,100億ドルであり、このうち短期債務は675億ドルに上る。 10月に香港株式の暴落が起こり、アジアの通貨危機により、ウォンが急落した。 これに加え日本の金融機関の破綻で、欧米系の金融機関が一斉に資金を引き揚げ、韓国は外貨不足により、短期債務675億ドルを返済するための外貨が枯渇した。
韓国政府は、1997年11月21日、IMFへ支援を要請した。IMFは、12月5日、今後三年間で210億ドルの融資を承認した。そのうち55億6千万ドルは直ちに融資された。
韓国の経済運営はIMFの管理下におかれた。
98年2月就任した金大中大統領は、IMFとの支援合意に基づき、緊縮財政、金融システムの再構築、非効率的な財閥の再編などの急進的な経済改革を進めている。これにより生産の縮小、投資の減少、失業の増大などが生じ、経済成長はマイナスを余儀なくされている。
国内総生産(GDP): 6,312億ドル (1997年推計)
国内総生産実質成長率:6% (1997年推計)
一人当たり国内総生産(GDP): 13,700ドル (1997年推計)
インフレ率(消費者物価):5% (1997年推計)
失業率: 4.5% (1998年1月)
国家予算
歳入:1,010億ドル
歳出:1,010億ドル (1997年推計)
輸出:1,298億ドル (1996年推計)
商品: エレクトロニクスおよびエレクトロニクス機器、機械、鉄鋼、自動車、船舶、織物、衣料、履き物、魚
相手国:アメリカ17%、日本 12%、EU 13%
輸入:1,502億ドル(1996年推計)
商品: 機械、エレクトロニクスおよびエレクトロニクス器機、石油、鉄鋼、輸送器機、織物、有機化学薬品、穀物
相手国:日本21%、アメリカ22%、EU 13%
対外債務: 1540億ドル(1998年推計)
工業生産: 成長率8.2% (1996年)
発電量: 1745億kWh
一人当たり消費量: 3,831 kWh (1995年推計)
産業: エレクトロニクス、自動車生産、化学薬品、船舶建造、鉄鋼、織物、衣料、履き物、食品加工
農業:GDPの8%と労働力の21% を占める (漁業と林業を含む)
主要作物:米、根菜、大麦、野菜、果物
家畜:牛、豚、鶏肉、ミルク、卵
小麦を除いて食料は自給している。
漁獲高は290万トン、世界第7位
通貨:ウォン
韓国の為替政策は、管理変動相場制である。これは、一日の為替の変動幅を設定し、それを越えると取り引きが停止されるものである。
ウォン相場は、1996年初頭1ドル=700ウォン台後半だったが、経済成長の鈍化などを背景に下落基調に入った。
1997年夏には1ドル=900ウォン台まで下落した。その後、企業の経営破綻、香港ドルの混乱などが加わり、11月中旬、1ドル=1,000ウォンの大台を割った。
1997年12月16日、韓国政府は、管理変動相場制を撤廃し、完全に変動相場制に移行した。
為替レート
1ドル=ウォン:1,706.8(1998年)、951.29 (1997年)、804.45 (1996年)、771.27(1995年)、803.44 (1994年)、 802.67 (1993年)、 780.65 (1992年)、733.35 (1991年)、 707.76 (1990年)
■交通・運輸
鉄道
全長: 3,081km(電化560 km)
幹線道路
全長: 83,400 km
舗装:63,467 km(高速道路1,550 km)
未舗装:19,933 (1996年推計)
空港:114
■通信
電話: 1660万回線
ラジオ局 :AM 79、 FM 46、短波 0
テレビ局 :256 (1 kW以上 57)